祝島の現状況 力を合わせましょう!

祝島のこだままことさんからメールが届きました。
以下に転載いたします。
どうかどうかひとりでも多くの方が目を通してくださいますように。。





祝島より
祝島の漁協がこのタイミングで漁業補償金受け取りへの決議を出した事の背景には様々な理由があって島の中から見てて感じた思いを書きます。補償金受け取りに関しての経緯は島民の会のブログに詳しく書かれてます。

祝島島民の90%は建設に反対ですが直接的に仕事に関わる漁師さんの人口に限って言えばここ数年、反対賛成の割合は拮抗した状態でした。
福島の事故後、緊張感が走った東日本に対し、上関は工事が中断し長年の緊張感から少し開放されました。
その中でもう原発は建たないだろうという空気が生まれ、漁業補償金というものを貰ったところで何も変わるまいという思いも生まれたかも知れません。

もう一つ大きな理由は漁協正組合員は毎年数万円の組合の赤字負担をしないといけない状況にあり今年の試算では13万円にもなります。
高齢になり漁に出られなくなり収入が無い中から赤字負担だけをすることになると、漁師さんは経済的に苦しくなり引退せざるを得ません。
漁獲高が減り、石油価格が上がり、高齢化が進み漁師が減る。
そういった変化していく島の状況の中で様々な面で切りくずされ今回の保証金受け取りの方向への傾きに繋がってます(まだ実際受け取る手続きには至ってません)。

この問題の発端は一次産業、漁業自体を持続不可能にし、そこに原発立地を持ち込んだ社会、経済体制に在って、小さなコミニティ内の付き合いの中から受け取り賛成を余技なくされた漁業者個人個人の問題では無いと思います。30年にわたって巨大な産業体からの様々な圧力に負けず、補償金受け取りを拒否し続けた祝島漁師のおかげでこれまで上関原発は着工されていませんでした。

ここから上関原発は新たな局面をむかえた事は確かです。
先日の県知事の埋め立て免許の審査中断も計画推進を大きく後押ししています。

今回の報道では祝島が方針を転換したとか内部で割れたといった推測もされかねませんが何も変わらずここで生きている大多数はもちろん原発を望んでいません。しかし高齢化により島の力が弱まっているという事はあります。

この状況の中で今までと変わらず反対を続けるのはもちろんですが、今までには無かった方法でこの計画を止めるために全ての人の繋がりと行動が必要です。
祝島では一時産業の限界を一方的に押し付けてくる原子力産業に対し、ひじきやワカメを収穫し地道に全国の繋がりある人々とトレードしながら生活することなどで、原発以外の一つの選択肢を町の内外に発信しています。
エネルギーを自給するための取り組みを島の中で真剣に日々意見を出し合い島の未来を描こうとしています。

311前から上関原発反対に関わってきた人や311以降に急速に繋がった沢山の人達。祝島から見ていると大きなネットワークが実際に繋がり、まさしく大きな力を発揮しようとしている様に見えます。
これから改めて沢山の人と顔の見える距離で対話を重ねて良い未来のビジョンを共有していきたいです。今だからこそ上関、祝島に来てほしいです。


【3月4日】中国電力に対し埋め立て免許失効の判断を先送りし続ける山本県知事が県議会で埋め立て免許について答弁します。その傍聴に山口県庁に集り意見を届けましょう。傍聴には9時頃に県庁集合です。

【3月10日】13時30分から16時まで上関で集会、デモがあります。現地への集合も一つの大きなアクションになります。上関の美しい風景も見ていただきたいです。
福島県内で有機農業や民宿などをされている方の現地からの声を上関に届けていただく予定です。

【3月13日】祝島島民らに対し4800万円の損害賠償の支払いを求める裁判の公判があります。この日も多くの人が傍聴に集り、不当な判決を出させないように注目を集める必要もあります。この日も集会などがあります。
場所:山口県労働者福祉文化中央会館 大会議室 山口市緑町3‐29
日時:3月13日(水)15:0016:15
内容:飯田てつなり氏基調講演 映画「祝福の海」ダイジェスト版上映 伝説の反核シンガー内田ボブミニライブ 上関原発の現状報告と各地からのメッセージ 等。
主催:上関原発阻止被告団・弁護団、上関原発を建てさせない祝島島民の会 問い合わせ:090-6843-9854(原)


こういった機会に度々集り国や県、中国電力、裁判所に対し集結力で意思表示するととともに、集いの中から島の人、上関町民、山口県民、日本人としてそれぞれの立場からお互い意見を出し合い、足並みを揃えて、息を合わせる行動ができれば上関原発は建てる事はできないはずです。

311からまもなく2年を迎えます。
私たちは何を学び自分たちの暮らしをどう変えたのでしょうか。
上関原発は計画を止められない日本の古い体質の亡霊のようにまたしても息を吹き返そうとしてます。

変われないのは国であり自分たち自身でもあります。
原発は原子炉から始まり巨大送電線とダイレクトに繋がる大規模工場までの全体を通して見直すべきだと思います。大量生産、消費される使い捨て文明自体を原発エネルギーと捉えて臨むことができればまた一歩前に進む可能性もあるのではないでしょうか。

上関原発を巡ってまだまだ私たちは精神的にも成長し続け、核がもたらす分断から融合へと道筋を変えて行くことができると信じて祝島での暮らしから発信を続けて行きます。

力を合わせましょう
ありがとうございます
こだままこと