山口県祝島こだままことさんより自然エネルギー問題について

来月6/25当店にて「こだままことトークショー&ライブ」を催す予定です!
(※詳細後日掲載させていただきます。)
昨年も6月に開催したこだままことさんの報告会&ライブにはたくさんの方にお越しいただきました。
ありがとうございます。
今回もより多くの方にお越しいただけると嬉しいです!
こだままことさんから届いたメールを以下に掲載させていただきます。




自然エネルギー問題についてシェアしておきたい事を送ってます。自然エネルギー再生可能エネルギー)についてはいろいろな考え方があるとは思いますが参考までに。
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下記に送りますのは現在、再生可能エネルギー推進の中心的存在であり、「再生可能エネルギー促進法」を閣議決定して国会で成立させた菅直人氏と法案作成の中心になって動いた元国家エネルギー戦略室長の飯田てつなり氏が先日相次いで祝島を訪れた際に出した手紙です。

いま全国で再生可能エネルギー(メガソーラー、巨大風力発電所)が急速に広がってますが実態は決して脱原発に結び付くものでもないし環境活動の意味合いも無いものです。

沢山の物理的矛盾と電力供給上の不必要性、政治的虚偽がありますが一般の人が脱原発エコロジーの勘違いのもと、屋根や農地にパネルを敷き詰めてます。

脱原発の民意、人々の善意を利用した経済界の悪質なトリックです。
土地がある人なら飛び付く利益(全量買い取り制度、FIT法)が用意されており、パネル設置に出資するファンド会社がバブル的に増えており、農村地帯で営業活動を広げてます。不必要にどこまでもパネルが増える危険性があります。

単なるソーラーパネル発電の構造の問題だけではなく巧妙な利権構造、無尽蔵に新商品を「再エネ促進付加金」により全国民が買わされる新しい経済、電力売買システムの問題です。
もう既に付加金が全電気利用者から毎月徴収されてますがこれからパネルが増え様々な機器が取り付けられる事でまだまだ付加金が増額され続けます。パネルの全体の発電量に応じて負担が増え続けます。実に巧妙な財源確保です。

真実を見極める眼でこの事実を捉えなければ原発を止める事も環境破壊を止める事もできません。

311以降に原発に対する形で再生可能エネルギーが普及し始めたと多くの人が思ってますが「再生可能エネルギー促進法」が閣議決定したのは2011年3月11日午前中です。
311大震災の3時間程前にこの今の自然エネルギーの爆発的普及を起こす法律が動き始めてます。
脱原発の市民が311以降、再生可能エネルギーの普及を求めて署名活動などに駆り出されましたが、既に国策で推進が決まってました。

脱原発再生可能エネルギー推進を結び付けるシンボル的な場所として祝島自然エネルギー100%アイランド(1000KWのパネル設置等)にしようと様々な思惑でここを利用しようとしてます。既にその計画は島内での反対により一時止まってますが。

また自然エネルギーを現在の送電網で今の電気の使い方をするためには自然エネルギー電力と同量のバックアップ火力発電が必要であり、いつでもアイドリング状態で待機し、夜間、雨天時は火力電力で補うシステムです。
その欠点を指摘すると将来的にNAS電池を配備して安定供給する等の打開策を出します。
NAS電池はナトリウムで蓄電する巨大バッテリーですがナトリウムは水と反応して爆発する危険物です。黙っていれば全て付加金で買わされます。
そして全てはやがてゴミになる物です。

また、もうじき自然エネルギーの安定供給の為に今のアナログ電力メーターからスマートメーターという全世帯を中央管理する為、マイクロ波でデータを電力会社に随時送るデジタル器具に取り替えられます。これも付加金に加算され国民負担です。

長々と突然、書いてすみません。参考までに。

原発が停止している今みんなでシェアしておきたい課題です。

以下、飯田さん菅さん他に出した手紙です。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜「心のグローバリゼーション」

祝島の対岸3.5キロ先に原子力発電所建設予定地、田ノ浦海岸があります。
先日その田ノ浦が霞んで見えないほどの猛烈な黄砂(大気汚染)が襲いました。
咳や咽の痛みなどがしばらくの間、多くの人に続きました。

NASAが公開した2012年の地球を写した衛星写真を見ました。
東アジアから中東、北アフリカまでの広大な大地が砂漠化したその画像は絶望的にもなる凄まじい現実です。
ユーラシアから巻き上がった様々な化学物質を含んだ砂埃が地球の広域を覆っているのです。

核汚染が急速に広がり、原子力発電が持続できないと判断されたいま、私たちは新たなエネルギー源として自然エネルギーと呼ばれる次の電気エネルギーに移行しようとしています。

この地球の現実を直視しようとせず、わたしたちはさらに地下から様々な鉱物を掘り出し、精錬し膨大なエネルギーを使いソーラーパネルや様々な発電装置を量産し、この地球規模の危機を回避できるかのような虚構に、自らを止めることが出来ないまま突き進んでいます。

現在、原発はほぼ稼動しておらず、未知の自然エネルギー電力もまだ稼動していません。動いているのは火力と水力です。
CO2や石油枯渇などで火力発電は悪とされてますが、石油の多くの用途はガソリン燃料や石油製品化されています。
ビニール製品などは焼却処理されCO2どころかダイオキシンなどの有害物質も拡散しています。
CO2、石油資源問題を本気で口にするのであれば火力発電ではなく、まず手元に減らせる要素は多くあります。

脱原発を先送りしているのは他でもなく自然エネルギーにあります。
311後の混沌の中で私たちは原発に変わる新たな電源の提示を不必要に迫られてます。
いま原発自然エネルギーのどちらの電力も無い世界を現実的に生きています。
ここから電気エネルギー源の転換を必要とするのであれば火力発電所を少しずつ停止させる省エネルギーに答えはあるのではないでしょうか。
火力の稼動を可能な範囲で順次、減らしていくことは何故、選択肢の一つに入らないのでしょうか。
それによって解決できることを主張することは原発を再稼動、新設させないという一点に措いては最短距離にあるのではないでしょうか。
他国で掘り出されたシリコンやアルミを火力発電によって溶解し、パネルを大量生産し、自然エネルギー発電の普及を今後何年もかけて悠長に待つ間に何が失われるのでしょうか。

経済を優先する声も後を絶ちませんが、衛星写真に写し出された大気汚染で黄色く濁ってしまった地球をわたしたちはどう捉えるのでしょうか。
PM2.5などを特化して報道し、シェールガスなど新たな地下資源の利権争いを煽られ、こともあろうか東アジアの諸国に対する敵対意識さえも持つ危険な心の状態に知らず知らずのうちに追い込まれているのではないでしょうか。
中国を始め地球上の様々な地域で砂漠化、汚染を引き起こしてきた筆頭は他でもなく乱開発やエネルギー、地下資源の浪費を止めることの出来ない私たち日本の住人です。
それでも尚レアメタルレアアースなどさらに環境汚染の激しい地下鉱物を掘り起こし、土に還らないソーラーパネルの大量生産によって、この危機を乗り越えられるという幻想を追い求めるのでしょうか。

原発事故を経て国内で十数万人の難民が出てしまったにも関わらず、わたしたちの暮らしはまだシフトせず、今のこの暮らしを維持するための代替案に四苦八苦しています。
エネルギーシフトが声だかに叫ばれてますが、いま本当に必要なのはマインドシフトです。

エネルギー問題などはそもそも存在せず、いま直面しているのは心の問題です。
砂漠化とは死滅化です。それが目の前に迫っているにも関わらずわたしたちの心は一つにならず個々が個々のままであろうとしてしまっています。
放射能よりはマシであろうとプラスチックやアルミ、シリコンなどを平然と大量生産、消費、廃棄する状態がこれ以上続けば、放射能に怯えるまでも無く未来は閉ざされるのではないでしょうか。

エコロジーという言葉は日本での解釈は自然に優しくといった意味合いで使われて久しいですが直訳では生態学です。
生態系が私たちにどう影響し、どう生かされているのか、生命はそれぞれどう繋がっているのか。そういう探求こそがエコロジーの本来の意味であったはずです。

ネイティブアメリカンは大地を掘ってはいけないという教えを大事に守ってきました。
いまそのような教えに心を開くことは決して時代錯誤だとは思えません。

自然エネルギー問題」は数多くの心への問いかけをしてくれるはずです。
自然という言葉を使うからには当然、自然観を持ち合わせなければいけません。

都会では自然とかけ離れてしまった暮しが現実的にあるかもしれません。
しかし心の世界には都会も田舎も無く、自然を捉える意識の中での変化は可能であり、それこそがすぐに行える実践であり本質的な解決策ではないでしょうか。

時間はまだあります。
日々の選択がどんな物事も変えうる大きな力であることに気付けば砂漠は緑に、川は清流に、海は輝き、空は青く、雨は優しくなります。
新しい時代の幕開けを共に過ごすことが出来ることに喜びと感謝を贈ります。

ありがとうございます